愛の挨拶/エルガー

[No.1] - Jul.5,2002 -

しかし私ってほんとに信じられないくらいの方向音痴なのです。
レッスン時間に大幅に遅れそうだったのでタクシーに乗ったはいいけど、先生の住所がウロ覚えの上に、いつもと違う道から行ったら全然わからなくて、
運転手さんに
「その方向音痴で、よく外に出してもらえたね」
と言われてしまった。 

先月は入院と試験で、まる10日全然ピアノにさわれなかったので、今日はバラードの方はお休み。

音楽院の方の大人の生徒さん宅で9月頃にサロンコンサートを開くという企画があるということで、何かの機会に弾いてみたいと思っていた『愛の挨拶』を選曲しました。
この曲は、弦楽器の演奏のイメージが強いけど、ピアノで弾くと弦とは違った爽やかさがあって初夏の北海道にピッタリなイメージです。

私の場合、左手やアルペジオがどうもうるさくて、それに負けないようにメロディーラインを強めに弾いてたけど、そうじゃなくて、伴奏は極力小さく、全ての音をきっちり弾く必要はない。
流れるように滑らかに弾くのはなかなか難しいので、まずメロディーだけを弾く練習をして、それを邪魔しないように伴奏をつける練習をする。
気が付かなかったんだけど、私なぜかアルペジオを跳ねらせるクセがあったみたい。多分軽やかに弾こうと思ってそうなったんだと思うけど。それを直すこと。
ゆっくりのテンポで弾くときは、かなり大胆に揺らして弾いた方がよい。
盛り上げるところは思い切って盛り上げる。1回目は#がひとつになった真ん中あたり。
そして一番の盛り上がりは76小節目のaccel.からなので、その前の69小節目のppあたりから気持を高めていく。
最後は暗く沈んでいかないように、ゆりかごが揺れるように・・・。

この曲は、エルガーが、後に奥さんになるキャロラインに捧げた曲なので、2人の対話のようなものを意識して、美しく弾けるといいな。


[No.2] - Aug.9,2002 -

同じことは2度繰り返さないのが鉄則ということで、最初に出てくる旋律は合計4回出てくるので、それぞれ変化を付けるようにする。
色々やり方はあるけど、一般的なやり方として、
1回目=普通に
2回目=落としてたっぷり歌い、それでいてクレッシェンドはより大きく
3回目=小さく
4回目=終わりに向けて盛り上げる

かなりオーバーに歌った方がよさそう、、、でも歌い方って難しい。私がやると、ダサダサの演歌調になってしまうんだよなぁ・・・。さり気なくオシャレに弾きたいものです^^;

15小節目、31小節目は、しっかりdolceに。
テーマが2回繰り返された後の転調したところ(35小節目)は、内声の動きも意識する。
そこから6小節目のクレッシェンドになるところのペダルの位置に注意!ベースのひとつ前の和音から踏みっぱなしにする。
全体に、ffやsfのベースの音は、もっとたっぷり大きく。


9月といわれていたサロンコンサートは11月になったのでちょっと余裕かな。
と思ったのですが、素晴らしくお上手な音楽院の生徒さん(PTNAシニア部門をとても優秀な成績で予選通過)が、突然腱鞘炎になってしまったようです。それもかなり重症のようで、当分ピアノを弾くことを禁じられてしまったとか・・・。ということは、サロンコンサートは中止なのでしょうか・・・?

私もマンドリン部だった頃に腱鞘炎になったので、その後遺症で、今でも腕が疲れやすくてすぐにだるくなってしまいます。無理しないようにすぐに湿布貼って練習はお休み。私も重症にならないように気をつけなくては。。。(なんて言うほど、このところは練習してないのでしたf^^;ポリポリ)


[No.3] - Sep.6,2002 -

完璧に暗譜したつもりだったのに・・・。15小節目で急にわからなくなり、どうしても思い出せなくて四苦八苦していたら、ちょうど電話が鳴り、先生が話している間に、楽譜をみて必死に覚えこみました(汗)

今回は、アルペジオをゆっくり目にして練習していったのですが、鍵盤のタッチが違うのと、緊張で手が固いのとで、さっぱりコントロールできなくて、やりたい速さの綺麗なアルペジオにならない。
あーあ、本番もっと手が固くなると思うと、アルペジオ、とーってもアブナイ予感・・・どーしよー!

Kさんの腱鞘炎(五十肩という説もあり)は、かなりひどそうで、右手でやっと単音が押せる程度なので演奏は無理そうですが、交流が目的のサロンコンサートなので、弾かなくても来るとか。
それにしても、交流がメインとはいえ、音楽院の院長先生もいらっしゃるわけで、ノミの心臓の私はもう今から地にのめりこみそうで・・・楽しみは楽しみだけど、ちょっとかなりツライ・・・。
人前で弾くのは久しぶりだから、また上がる練習からしないとダメだ・・・。


[No.4] - Oct.4,2002 -

つくづく人間の身体って不思議。
全然緊張してないつもりなのに、本番を想像しただけで、手が勝手におかしくなる。
今回は、震えも硬直もなく順調に弾いていたつもりなのに、なぜか、「ここ!」と思った鍵盤は、ことごとく1音ズレていた--; んーーーこの短い曲で5ヶ所くらい間違うんだからかなわないわ。家では全然間違わないんだけどなぁ・・・

ということで、課題は、上がる練習をすること。
これも、親兄弟の前ではたいして緊張しないから、よその誰かに聴いてもらわなきゃいけないんで、やっかいなのです。


[No.5] - Nov.1,2002 -

本番前最後のレッスンだというのに、いやもう、ヒドイにもほどがある・・・
まず最初に、手慣らしなしで、先生の前で弾いたときには、ほぼ完璧(音楽的にじゃなくて、間違わないってこと)に弾けたのに・・・
その後、パヴァ−ヌをやってから、次の生徒さんとお母さんの前で弾いたんですが・・・
弾く前に血圧が上がるような話で盛り上がったせいか、はたまた、そのお母さんが音大出身と聞いたせいか、例によって、ハンパじゃない間違いよう。間違いならまだしも、暗譜が3ヶ所くらいわからなくなって、もう取り繕い様もなくて停止。気をとなおして、もう一回最初から弾かせてもらい、今度は上手く行くと確信していたにもかかわらず、またしても、暗譜が思い出せない・・・!!
もう、ほんとに自分はどうなってるんだろう。全然緊張した感じもなく、もちろん手足に震えや硬直もなく、やる気満々だったのに・・・。そういえば、今までのパターンでも、緊張の自覚がないときの方が、逆にヒドイ間違い方をしたっけなぁ・・・。んーーーーーーーーーー・・・・・
その今までのパターンでいくと、本番直前にメタメタだったときの方が、本番は上手くいってたから、きっと今回も上手くいくはず。(と思うしかない)
とはいえ、あまりにもひどかったので、本番は楽譜を見て弾くことに。私の場合、楽譜を見るなら見る、見ないなら見ない、とどちらかに決めないと、中途半端に見ると逆に頭が混乱してわからなくなるから、今日から、楽譜をしっかり見て弾く練習です。せっかく暗譜したのに、情けなーい!暗譜に慣れたら、楽譜見るのも難しかったりして・・・・あーーーん、もう!こんな自分がイヤ!


[本番] - Nov.23,2002 -

発表会やコンクールとは違ったアットホームな企画ということで、15人(大人+高校生)の方がNさんの素敵なお宅に集まりました。ボージョレ−にチーズ、ケーキ、たくさんの手料理などなど、とても素敵な雰囲気の中、まずはそれぞれ自己紹介。高校生は、ひとりは去年のピティナ全国大会で金賞、もうひとりは銀賞、もうひとりは外人の先生に国際コンクールへ出場するように勧められているとか。若い講師の先生お二人はお人形さんのように美しくて、お一人は英国王立音楽院を首席で卒業、もうひとりはブリュッセル王立音楽院を首席で卒業、ロイズのCMでも演奏されています。
最初は、腱鞘炎が回復されたばかりのKさんによる、ムソルグスキーの小品「なみだ」、次が私、その次は、バイオリン演奏でクライスラーの小品3曲、次は学校の先生(音楽)がブラームスの間奏曲Op.118-2。その後は高校生の演奏で、リスト編曲「歌の翼に」、ドビュッシー「版画」より、シューベルトのソナタ14番全楽章。最後は講師の先生方の連弾でJONGENのJEUED' ENTANTS、そして主催者Nさんのミンストレル。
高校生の演奏には心底、衝撃を受けました。ピアノの前に座って精神統一をすると同時に、まるで音楽の精がのり移ったかのような、表情、技術、音楽性、、、完全にプロです。というより、プロでもあれほど魂が揺すぶられる感動的な演奏にはなかなか出会えません。「音楽ってこういうものなんだ!こういう風に表現するものなんだ!こんなに楽しいんだ!」と、目からウロコが落ちた思いです。
ひととおり演奏も終わって、かな酔いがまわってきたころで、2巡め。もちろん私はパスしましたが、みなさん酔っているにもかかわらず、もの凄い勢いでショパンのエチュードや、マズルカ、ラヴェルにアンドレギャニオン、カスキなどなど…。マンションの1室でこんなに国際レベルのホームコンサートなんてあるのでしょうか!当日、コンクールの全国大会よりサロンコンサートを選ばれた院長先生も、「今日は役者が揃っているから面白い!」とおっしゃったように、まさに演奏とは「演じて奏でる」ものだと実感したのでした。

、、、で、どうして私なんぞがそのような場違いなところにいるんだろうってとこで、前座にもならない幼稚園以下の演奏で、出来不出来もあったもんじゃないのですが、、、というか、もう自分はどうでもよくなりました^^; 一応演奏はギクシャクしながらも、2ヶ所ほど軽く間違ったかな^^;
でもこれからは、間違いなんかにこだわらずに音楽性を目指そう!との思いを強めました。
とにかく衝撃と感動のコンサート、企画して下さり私まで呼んでくださったNさんに、心から感謝しています。

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