らりらマンドリン
石川樓二郎さんによる手工品(オーダーメイドではありません)です。はじめは可愛いお星様のついた機械製品を使ってたのですが、コンミス就任時に先輩から「その楽器じゃホールの一番後ろまでとどく音が出ないわよ」と脅され(?)やむなく買い換えることに。
マンドリンのこと
マンドリンはイタリア生まれの弦楽器で、スチール製の弦が2本1組(複弦)となっていて4組(G線、D線、A線、E線)張られています。 縦長ハート型の小さなピックで弦をはじいて音を出すのですが、その奏法には、1音を1打で打つピッキングと、アップダウンを連続して弾くトレモロの2種類があります。トレモロは、扇子をあおぐように手首をやわらかくして細かく素早く弾きます。強くキレの良い音が欲しいときには ピッキング、美しいメロディーをなめらかにレガートに表現したいときはトレモロを用います。
バイオリンと押さえる位置は同じなのですが、フレットがあり、1度に2弦を弾かなければいけないので、調弦の狂いはモロです。バイオリンだとビブラートをかけるふりをして、ちょっとずらせばOKなのですが、マンドリンは誤魔化しようがありません。それで、演奏会の本番中でも音が狂ってくると、ひとりこっそりと演奏を中断して自分にしか聞こえないような小さな音で調弦をする必要があります。特にソロを弾く数小節前なんかは、お休みして絶対に調弦しちゃいますね。ところが、演奏会のアンケート結果を見てみたら、何も知らない聴衆の方が「本番中に関係のない音を出して遊んでいる人がいましたよ。いいんですか?」って書かれていて…(#/_ _)/ドテッ

私のMIDIではバイオリンなどの音色を使わずにシュミレートにこだわっていますが、それには理由があります。
オーケストラの音はとてもなめらかで美しいです。でもマンドリンオーケストラは、本来の音の他に、ピックが弦にあたる「バチバチ!」という音が強烈に入ります。これを単に雑音ととらえてしまっては元も子もありません。私はこのうるさい音こそ、マンドリンの曲を盛り上げてくれる大事な音だと考えているんです。特に鈴木静一の激しい曲「細川ガラシャ」などはピック音なくしては語れないと思ってるわけでして…
そんなわけで、これからも、ちょっとうるさめのマンドリン曲をこよなく愛していきたいと思っています。



マンドリンオーケストラの構成

1stマンドリン
1st Mandolin
主に主旋律を担当します。高音域や速いパッセージなどが頻繁に出てくるので、技術的には一番難しいパートです。

2ndマンドリン
2nd Mandolin
合唱で言えば1stがソプラノ、2ndがアルトです。ファーストにハモってメロディーに厚みをつけたり、リズム打ちなどを担当します。ときには延々と何小節にもわたる同じ音の連続で、数えるのが苦手な私はすっかり迷子になってしまいます(・・;;;

マンドラ
Mandola
マンドリンをひとまわり大きくした形の楽器です。マンドリンより1オクターブ低い音域を持っていて、あるときはリズムを打ち、あるときは曲に厚みをまし、またあるときは、むせび泣くような切ない旋律を奏で、聴く人を魅了します。

マンドロンチェロ
Mandoloncello
セロと呼んでいました(地域によって呼び方違うのな?)。マンドラより、5度低い音域を持ち更にサイズは大きくなりますが、マンドラのボディーは丸みをおびているのに対して、セロはフラットです。乾いた哀愁のある低音で、曲に迫力を与えたり、ときには甘いメロディーを奏でたりします。

ギター
Guitar
クラシックギターです。様々なリズムを奏でて曲に変化を付けてくれます。全面に出てくることはめったにありませんが、とても重要なパートです。

コントラバス
KontraBass
弦を指ではじくピチカートと弓で弾くアルコの2つの奏法があります。ベースが入ることにより曲全体が非常に厚みのあるものとなります。

マンドローネ
Mandolone
マンドラを更に巨大化した楽器です。あまりの大きさに奏者は非常に少なく、特に女性では演奏は不可能です。そのためか、この楽器が使われている曲はあまり多くはありません。

その他 曲によっては、パーカッション(各種打楽器)や木管楽器(フルート・オーボエ・クラリネットなど)やピアノが加わることもあります。